【旅行】 スペイン(マドリッド)&ポルトガル(ポルト) その1

今回の旅行記は2泊3日でスペインのマドリッドポルトガルポルト
1年半のトレーニー生活も残り2か月を切り、旅行記もいよいよ大詰め。行けてもあと2回位かな…

スペインは去年の2月に出張でバルセロナに2か月滞在して以来。ポルトガルは初上陸。

飛行機はライアンエアー。もしかしたら今回で最後かも…これだけお世話になってるとなんだか寂しいね。

フライトは3時間程度。マドリッドのバラハス国際空港は中心部から15kmほどのところにある大きな空港。
ターミナル間が結構離れていて、移動が面倒。それでいてツーリストインフォメーションがターミナル2にしかないという…
前回のアムスのスキポール空港に比べるとやっぱり不便。


マドリッドの見所は 世界3大美術館 のひとつ、プラド美術館に代表される沢山の美術館、博物館をはじめ、
FIFAで 20世紀最高のクラブ に選ばれたレアルマドリッドCF(Real Madrid Club de Fútbol)の本拠地サンチャゴ・ベルナベウのスタジアムツアーなどのサッカー関係。
そして食では日本の居酒屋の肴のような位置付けのBAR(バル)でのタパスやパエリヤ、生ハムなどなど…盛り沢山。


やっぱり欧州の都市を個人で回るならお決まりの観光パスは欠かせないということで、今回もマドリッドカードを空港のツーリストインフォメーションで購入。

ただし、マドリッドカードは欧州の他の都市のパスと違い、市内の公共交通機関のパスは含まれていない
それでいて24時間券で50ユーロ位するので、結構ペイするのは大変かも…。しかもスペインの美術館や博物館は 夕方以降無料になる ところも多い。
でも48時間券にしても60ユーロ位なので丸々2日間以上いる人はよいと思う。

幸い、サンチャゴベルナベウのスタジアムツアーもこのパスで無料になるし、パス保持者専用の優先入り口も結構あるみたいなので、メリットはあると判断した。
公共のサービスとして提供しているこういうパスで、サッカークラブの持ち物であるスタジアムツアーが無料になるのは珍しいのではないか。
バルサの時は割引に止まってたはず。


チケットゲット後、シャトルバスで市内に向かう。
市内へや地下鉄を乗り継いでも行けるし、公共バスも出てるのだが、プラダ美術館に行くならこのシャトルバスが一番いいと教えてくれた。片道1人5ユーロ。

バスはプラダ美術館に近いアトーチャ駅に到着。
まずはすぐ近くの国立ソフィア王妃芸術センターへ。


写真でわかる通り、天気は快晴です。文字通り、雲一つない。日差しが痛い程で、気温は25〜27度位。夏だね完全に。

入り口から長蛇の列でうんざり…かと思ったら、マドリッドパス保持者の優先エントランスはガラガラ。早速役に立った。

ここにはピカソの中でも最も有名な作品のひとつ、ゲルニカ が展示されている。
残念ながら館内は撮影禁止だったので写真はアップできないが、スペイン内戦時のゲルニカへの無差別爆撃に憤激して描いたと言われるこの作品は、一度に視野に入りきらないほどの巨大さもあり、その迫力に圧倒された。
ピカソの怒りが伝わってくるようだった。

他にもダリ、ミロなどの有名作家の作品が展示されているのだが、あまりここで時間を食うと後が閊えてくるので足早に退散。


続いて今日のメインのひとつ、プラド美術館へ。


おっと。雲が出てきてしまった。

ちなみに世界三大美術館の残りの二つはフランスのルーブルと、ロシアのサンクトペテルブルグにあるエルミタージュ美術館らしい。
また、プラドではなく、ニューヨークのメトロポリタン美術館を入れるパターンもある模様。

ルーブルはもう行ったので、サンクトのエルミタージュに行けば制覇だな。

世界三大〜シリーズには、世界三大がっかり観光名所」 というものもあり、
シンガポールマーライオンデンマーク・コペンハーゲンの人魚、ベルギー・ブラッセルの小便小僧ということになっている。

こちらも人魚と小便小僧は既に見て がっかり済 なので、残りはマーライオンのみ。
シンガポールにもオフィスがあるから、そのうちお目にかかることがありそうだ。
(昨年末にフランス&ベルギー旅行に行ったのだが、旅行記はまだアップしてないです…)

さて、本題のプラド美術館は1785年に建設が始まった建物で、当初は自然科学博物館になるはずだったらしい。
しかしナポレオンとの戦争によって工事は中断され、戦後スペイン王家の美術品を所蔵する美術館に計画が変更された。

こちらもマドリッドカードでフリーパス。
とりあえず中のカフェで腹ごしらえ。スペイン風のスピナッチ(ほうれん草)オムレツと、ハム入りクロケッタ(コロッケ)。そしてビール。


体力補給を済ませ、いざ名作観賞へ。
中にはエル・グレコゴヤ、ベラスケスなど16〜17世紀に活躍したスペイン絵画の黄金時代の画家たちの作品が所狭しと並ぶ。

こちらも撮影不可だったのでアップできないのが心苦しいが、エル・グレコの「受胎告知」、「聖三位一体」や
ゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」のマハ2作品、晩年の黒の時代と言われる中の、鬼気迫る「わが子を喰うサチュルヌス」も展示されている。

「わが子を〜」は 直視できない程の迫力 だった。呪われてしまいそうな雰囲気。
初期の「ブドウの収穫期」などの爽やかで柔らかい作風から何故こうなってしまったのか…同一人物の作品とはとても思えない。
やはり芸術家というのは感受性豊かであるため、戦争や内面のちょっとした変化が大きく表れてしまうのだろう。人間の醜さが見えてしまったのか。

その他ベラスケスやルーベンスなど教科書で見たことのあるような作品も多々。
しっかり見たら1日あっても足りなそうだ。


市内中心部の東端に位置するプラド美術館を出て、西に向かって歩く。
実際着いてみてわかったが、マドリッドの街はそれほど大きくなく、歩いて回れるので公共パスはなくてもいいかもね。

道中見つけた立ち飲み屋さん。カウンターで酒とつまみ(タパス)を楽しむ。
上からぶら下がっているのは 全部ハム。やっぱりスペインと言ったら生ハムだよね〜


そうして到着したのはマドリッドの「ヘソ」となるプエルタ・デル・ソル。真ん中に騎馬像が聳える。

「太陽の門」という意味を持つ広場で、ここから各地へ9本の道路が延びていて、広場前にあるマドリッド自治政庁前の歩道には国道の機転を示す0kmの標識が埋め込まれている。
日本だと東海道日本橋みたいなもんだね。


そのままプエルタ・デル・ソルを通り抜けて王宮へ向かう。
王宮前のオリエンテ広場には真っ赤な花が咲き誇っていて綺麗だった。


こちらが1764年完成の王宮。ここもマドリッドカードでフリーパス。


もともとこの地にはイスラム教徒の城塞があり、1734年の火災で焼失してしまったところに造ったものだという。
中も見学可能になっていて、食器とか大きなベッドとかタペストリーとか…いかにも欧州っぽい宮殿といった感じ。

王宮の反対側にはアルムデーナ大聖堂が聳える。


1993年竣工と比較的新しい建物。ただし、礼拝堂は未完成。
中に入れるのかは不明。自分達は入らなかった。

王宮の裏を撮った写真。まさかの大自然


マドリッドの「ヘソ」、プエルタ・デル・ソルから1キロもない立地の王宮なのに、その裏がコレとは…。
見えているエリアの大半がカサ・デ・カンポというマドリッド最大の公園で、1,747haという広大な敷地を持つ。
マドリッドに都を移したフェリペ2世が狩猟場として買い上げたところで、ほとんど手つかずで自然のままの丘陵地帯になっている。

東京のど真ん中にこんなのあったらビビるよなあ…。
日本の気候だと虫とか凄いことになりそうだけど、それにしてもつくづく日本は都市計画に失敗してるよね。


東に戻ってマヨール広場。縦94m、横122mの四角い広場を4階建ての建物がぐるりと囲んでいる。


広場中央にはこの広場を作るよう命じたフェリペ3世の騎馬像があるが、この週末はイベントがあり器材で囲まれてしまっていた。
写真の中央下部に体半分写っている乳母車のようなものは、路上パフォーマー。赤ん坊のような甲高い声で観光客の注意を引いてお金をせびる。

スペインでは長引く経済不況の影響か、こういった 路上パフォーマーがうじゃうじゃ している。
「うじゃうじゃ」という表現が正しい程、本当に沢山いるのだ。マヨール広場だけで10組以上いたと思う。もちろん、プエルタ・デル・ソルにも、王宮前の広場にも。

地下鉄の中でも楽器を持ち込んで大熱唱、終わったら乗客にお金を求め、隣の車両に移動してまた熱唱を繰り返すパフォーマーが。
いや、これはもはや「パフォーマンス」ではなく、彼らの立派な「仕事」なんだろう。
普通の仕事がなかなか見つからず、やむなくこうして生計を立てているように思う。そう思えば、電車の中で当然のようにチップを渡す地元乗客の姿にも多少納得がいく。


マヨール広場を抜けて、サン・ミゲル市場へ。


フードコートのような市場で、肉・魚・野菜・オリーブ・ワイン・チーズ・カキ・ケーキなどなど様々な食材が売られている。


持ち帰って家で食べるもよし、その場で酒を飲みながら食べるのもよし。市民にも観光客にも愛される市場である。
ビールを1杯買って飲みながら色々な店を歩き回ってもいいのだが、ひとつ大きな問題が…

そう、スペイン人は基本的に英語が話せない のだ。

バルサの時にも書いたが、観光地のチケット売り場等は問題ないが、レストランの店員で英語が話せる人は稀。
スーパーに行っても会計の数字すら英語で言ってくれない。国民の平均を取ったら日本人よりも喋れないと思うわ。


前回の2週間のバルサ滞在で、英語だけでは真の国際人にはなれない!と気づき、スペイン語の本を買ってみたものの、まだ数字と挨拶程度。
まあ陽気なスペイン人の前なら、「オラ!(Hello)」と笑顔をジェスチャーでどうにかなってしまうんだけども。


というわけで市場では雰囲気だけ楽しみ、今日の夕食のお目当てメソン(居酒屋)の集まる一角へ。
サンミゲル市場のすぐ裏に、築500年程の建物が並び、その1階部分に9兼のメソンが集まっている通りがある。


この写真に写っている両サイドがずっとメソン。
昼間は閉まっている店が多いので閑散としているが、夜になると急に活気に溢れる通りとなる。

スペイン人の酒の飲み方は、店自慢のタパスをつまみに1杯飲んだら次の店に移動して、またそこでもその店自慢のタパスと酒を楽しみ…ということの繰り返し。
だからこのエリアに来たら1杯ずつ飲んでは店を変え…が正しいスタイル。

とりあえず9軒の真ん中あたりに位置するメソン・ドン・カルナルという店のテラス席へ。


もちろん定員さんは英語は話せなかったが、メニューは英語版もあり、指差しで注文。話せないだけじゃなく読めもしない。
とりあえず定番の小エビのガーリック炒め。熱々のオリーブオイルに浸かった小エビはホクホクでめちゃうま!!


そしてイベリコ豚の生ハム!!やっぱこれでしょ!


そしてタコ。何だか今までの 「タコ感」を覆す 衝撃の柔らかさだった。唐辛子が効いてこれも美味い!


こうして食べているうちにだんだん周りの店も混んできて、テラス席はどこも一杯に。
せっかくテラス席を確保できたので、移動するのはやめてこのままこの席に居座ることにした。


追加でこちらも定番のイカリング(カラマリ)とチョリソー。


そしてマドリッド地方の名物料理だと書かれていた煮込み料理。色々な食材の味が出ていい感じ。


調子に乗って頼み過ぎて、最後は食べきれなくなってしまった。
でもこの店は少人数の客のために、ハーフサイズを用意してくれていたので色々な味を楽しむことができた。こういうサービスはいいね。

時計は既に9時を回っていたが、まだ大分明るい。UKよりも更に1時間時計が進んでいるのでその分丸々日が長い。
プエルタ・デル・ソルでは観客を使って体に鎖を巻きつけるという芸を見せるパフォーマーが。


最後に鍵をかけて抜け出すらしいのだが、抜け出す前に観客に執拗に金を求める。
渡さないと襲われるんじゃないかと思う形相で歩き回り、勝手のわからない観光客を中心にそれまで沢山いた群衆が半分位になってしまった。

最後は見事抜け出していたが、トリックは見破れず。派手に体を動かしていたので、何やっててもよくわからん。


ホテルに着く頃にようやく夜らしくなった。
マドリッドは首都らしく大都会。まるで新宿かと思うような写真。


ホテルはまるで雑居ビルのような入り口。でも中は綺麗だった。今回は街の中心でアクセス至便。
基本的にスペインは物価が休めなので(不況で悪化はしているが)、ホテルも安く泊まれてとてもよい。


マドリッド初日はここまで。明日はお待ちかねのサンチャゴ・ベルナベウツアー。そして夕方にはポルトへ移動。
天気は明日もよさそうだし、バルサとならぶ2大巨頭の本拠地を満喫しよう!


では。

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