1ヶ月の出来事(後編)

1日空いたけど前編の続き。今回はゴルフ話がメイン。
中旬以降は日本から嫁さんのおじさんが来英していて、週末は嫁と大陸の方に旅行に行っていて一人だったこともあり、ゴルフ三昧。

11月10日(土)、11日(日)、18日(日)、25日(日)と立て続けにラウンド。

10日はテニス仲間とのラウンド。
午前中テニス(実際は雨で中止)のため、午後スタートとなり3ホールを残して日没。18ホール換算で90前半というところ。
15ホール回ってボギーが12個という安定っぷり。残りはパー、ダボ、トリが1つずつ。

その時に行ったワットフォードにある眺めのいいゴルフ場。


11日は前半はひどかったものの、後半持ち直して何とか98。

この日は会社の先輩と、交流のある会社の方とその後輩の方とのラウンド。そして、この後輩の方のドライバーが話題になる。
先方の先輩曰く、 「振れば振るほど真っ直ぐに飛ぶ」 とのこと。

PINGのG20というモデルで、どちらかと言えばアベレージゴルファー向けだが、女子プロを中心にトッププロも結構使っている。
今年のマスターズを制したババ・ワトソンもG20使い。(ワトソンは何故かピンク色のヘッドにピンク色のシャフトという奇抜なスタイル)

PINGというメーカーは日本ではパターメーカーのイメージが極めて強く、あまり普通のクラブを使っている人は見かけないが、
本場アメリカでは トップシェア と言えるメーカーである。

今年のマスターズでは、ババ・ワトソンだけでなく2位のウェスヘーゼン、3位のリー・ウェストウッドもPING契約。
何とPINGの1、2、3フィニッシュだったのだ。


日本ではブランディングというか、マーケティングの稚拙さで遅れを取っているが、
約40年も前から「フィッテイングを含めてのゴルフクラブ販売」というスタイルを取っている面白い会社。
そのため、オンラインでワンクリックでクラブを購入することを許さず
どのゴルフショップのオンラインショップに行っても、必ず先にオンラインフィッティングを受けるように指示される。

ライ角やクラブの長さ、グリップの太さに至るまで自分に合ったクラブに仕上げてくれる。
それで値段は変わらないのだからフィッティングしない手はない。

アメリカでは新品ドライバーは 1本299ドル という相場で、日本の価格帯がいかに異常かということがわかる。
その他のメーカーが同じ製品に対して日本市場価格を適用する中、PINGアメリカ価格を導入しようと頑張っている。
実際、G20も新品で30000円ちょっとと他のクラブの半値位である。 性能は変わらず半値、しかもフィッティング可。 素晴らしい!


PINGのオンラインフィッティングはこちら(英語のみ)。
最初の選択肢は距離の単位表記なので、日本人なら右側(METETS/CM)を選ぶとよい。
英語のみだが、簡単な表現で更に図もあるので特に問題なくできると思う。


PINGのクラブはアイアンは独特の形をしていて慣れが必要だが、ウッド系なら面白いかもと思って実際にオンラインフィッティングを受けてみた。
身長や手の大きさなどの体格から、普段の飛距離や弾道の高さ、理想とする弾道などを入力。
そして表示された結果は… G20のTFC169D TourシャフトのSでロフトは8.5。i20やAnswerなど他のモデルもある中、G20が選ばれた。
(シャフトは日本ではTFC330Dという型番になっている。)

今使っているドライバーは初代R9のUSモデル(460)で、シャフトはUS純正のFujikura Motore60フレックスはS。総重量は320g位でかなり重め。
そして ロフトは8.5
元々弾道が高く、バックスピンが多くて吹き上がってしまうタイプなので、お店の人にロフト少な目がいいと薦められた。
(まあ買ったのはそのお店ではなくてUSモデルを安く扱っているところだったけど…)

それでも今の弾道はかなり高く、ほとんどランの出ない球になってしまっている。
その情報を入力した結果が上記のクラブ。TourシャフトのSは手元調子でトルクも低く、球が吹き上がらない上にロフトも少ない。
徹底して弾道を押さえて前に進む力に変えようという意図が見て取れる。

通常、メーカー標準で付いてくるシャフトは軽すぎる、軟すぎるで自分になかなか合わないのだが、
このシャフトは基本設計から一貫してPINGが開発に携わったということで、G20との相性には相当の自信がある模様。
リシャフトする予算はないので、これはとても嬉しい情報。しかも登場から1年近くが経って、今なら2万程度で買える。
試打レビュー等を見ても、標準シャフトの評価がかなり高めだったので、実際に店で試打してみることにした。


前にも書いた通り、街中には殆どゴルフショップというものがない。
大体のゴルファーは自分のホームコースにあるプロショップで買うらしい。

そんな中、幸い我が家からは車で10分程のところにAmerican Golfという大手量販店がある。
ただし、American Golfと言う割に アメリカの店ではない模様


会社の先輩と練習場に行く前にショップに寄る。
とりあえずPINGコーナーに行くが、目当てのスペックはない。

「8.5のツアーSはないか」と店員さんに聞くと、「ハンデはいくつだ?」の問い。
「正式には持ってないけど、多分18位」と回答。(平均スコアは93、4だと思うので、72を引いて8掛け)

すると 「とりあえず打ってみろ。それで判断する。」 と上から目線。
(まあ実際には英語には敬語はないから言い方の問題なんだけど…こっちの店員さんはそんな感じの人が多い)


試打室は所謂「鳥カゴ」だが、立派な計測器が付いていて種々情報を見ることができる。弾道も計算されて、目の前のスクリーンに映し出される。
渡されたのはG20の9.5、ツアーでなくノーマルのRシャフト。ややアンダースペックだと思うが、とりあえず言われた通り打つ。
こっちでは試打クラブというものは基本的にはなく、 店頭に並んでいる商品 のフェースとソールに傷がつかないようにシールを貼って打つ。

柔軟体操をして、素振りをして、 パカン! と一発。やや右に出たものの、ほぼストレートな弾道。


「ん?いいスイングじゃないか。もう一発打ってみろ」

言われた通りパカン!

「うーん…本当にハンデ20か? 嘘ついてるだろ? 10の間違いじゃないか?」

お褒めに預り恐縮です…いや、ドライバーは得意なんですけどね…そこから先、特にグリーン周りが…。


ちなみに日本ではハンデを少なく申告したがる人が多いが、こちらでは逆。何故なら その方が勝負に勝てるから
同じ実力ならハンデが多い方が得に決まってる。小さな見栄ではなく大きな実を取る。とても合理的な思想。


「よし、お前に合うクラブを持ってきてやる。そのまま打って待ってろ」

…と言って4、5本のクラブを抱えて持ってきた。

G20ツアーSの10.5。ただしこれはお前には物足りないと思う。PINGにこだわるならこっちのi20だな。
 それから先週出たばかりのアダムスゴルフのドライバー。かなり重いがお前なら振り切れるはずだ。ただし値段は300ポンドだ。
 俺のおススメはこのYONEX。2本ともいいクラブだ。少し前のモデルだからPINGと同じ200ポンドだ。順番に打ってみろ」


パカン、パカンと打ち比べ。

G20ツアーはノーマルとさほど変わらない打ち応え。当たり前か。
i20はG20よりもアスリート向けで操作性重視のモデル。見た目もやや小ぶりでいかにも操作しやすそうな雰囲気。

アダムスは値段もさることながら、重すぎ。最初の数ホールは問題ないだろうが、18ホール歩いてのラウンドで後半戦は厳しそうなので即却下。

ヨネックスはかなり小ぶりのヘッドで 「塊」感 が凄くある。当たった時の飛びは物凄いものがある。
実際、あくまで計測上の数値だが、300ヤード越えを連発。

「いやいや、流石に300ヤードはないよ」と言ったが、「いや、このヘッドスピードなら300ヤード越えは簡単だ」と言う。
ヘッドスピードも表示されているのだが、見慣れたメートル/秒ではなく、マイル/時なのでその時はよくわからんかった。
100台後半の数字だったと思うので、107マイル/時だとすると、107*1.6*1000/60/60で…47.5メートル/秒か。まあそんなもんだろう。


こちらもG20を買う気で来て、まさかヨネックスやアダムスというややマイナーなメーカーを薦められるとは思っていなかったので困惑していた。
とくに、やけにヨネックスを薦めてくるので、「ヨネックスのクラブはあまり知らないんだけど…」と伝えると、
「大丈夫。 俺も使ってる。 いいクラブだ」と。
そういうことか。

後からわかったことだが、このYONEXは 遼君が使っているモデル だった。
遼君のはヘッド体積が380cc、試打したのは420cc。なるほど確かに叩けば飛びそうだ。上級者向け。


ちなみにこの店員さん、なんとスクラッチプレーヤー(ハンデ0)らしく、お腹の出た体形からありえない位鋭いスイングをする。
試打中に打ち方についてのレッスンもしてくれ、見本を見せてくれたが、左手一本で200ヤード 飛ばしていた。

自分の打ち方的には、数字上はほぼ完璧。
ただし、唯一インパクト時にフェースが開いている(6度位)ので、右に出て弾道が高くなる(フェースが右に向くと上にも向く)とのこと。
スイング自体はスクエア、ミート率も高いのでスライスはしないが右に真っ直ぐ飛ぶ球が多くなると分析され、図星だったので腑に落ちた。

フェースを早めに閉じ出すことと、左に体重移動し過ぎずにその場で左腰を後ろに引く(クルッと回転するイメージ)ようにしろとのアドバイス
なかなか的確で即効性がありそうだ。


ここまで色々説明してくれて、レッスンもしてくれた手前、何も買って帰らないわけにはいかない雰囲気。

とは言え、ヨネックスは全く調べにないのでなかなか購入には踏み切れない。
しかもヘッドが小ぶり過ぎで、当たった時はいいがミスった時のダメージも大きそう。
元々は飛距離は落ちても真っ直ぐ気楽に飛ばして2打目以降に集中したいためにG20を狙ったので、当初の目的とズレてしまう。

その辺を説明すると、
「とりあえずどちらかを買って、数ラウンドしてみて、合わなかったら他のと交換してやる。PINGもYONEXも金額は同じだから問題ない。」
と言う。

ええ?それでいいの?
日本でも中古屋ではそういうシステムあるけど…新品でその仕組みOKなの?


まあそれなら…とまずはPINGを試してみることにした。とは言え、10.5度ではいかにもロフトが多すぎるので、9.5か8.5かないかと聞いたが、在庫がなかった。

「それも合わなかったら9.5に変えてやる。ただ、さっき教えたことをしっかりやればフェースが閉じてロフトが立つから10.5でも大丈夫だと思うぞ」

…というわけでG20の10.5度、ツアーSを購入。約4年ぶりのドライバー買い替えとなった。

オンラインフィッティングの結果、グリップは標準の白(PINGはグリップの太さを色で表記)だったので、ショップ在庫でOKだった。
ちなみに日本市場ではPINGの標準グリップは1サイズ下のアクアになる。日本人の手の大きさに合わせているんだろう。


そのまま練習場に行って即試し打ち。
打感やミスヒットへの強さはイメージ通りでかなり満足。多少こすっても殆ど曲がらない。飛距離は夜で先がよく見えずわからず仕舞い。
ただ弾道は…ジャストミートした感覚でもミドルアイアン位の弾道に。やっぱりロフトが多過ぎたか?

とは言えもう店はやってないので、とりあえずこのまま日曜日のラウンドを迎えることにした。


そして翌日。ヒースロー空港近くのゴルフ上で 1人27ポンド という安さ。11時以降のスタートなら22ポンドでOK。

ドライバーは好調。マン振りしなくてもコンスタントに250ヤード位は稼げるのでとても楽。
ただし弾道は…。フェアウェイにズドン!のイメージ。
これでランが出れば10〜15ヤード位は更に伸びるだろう。

ドライバーはとてもよかったのだが、アイアン系のスイングがすっかりわからなくなってしまって、右へ左へ103の大叩き。残念。


昼過ぎにはラウンドは終わったので、その足で昨日のショップへ。
「やっぱり合わなかったのでロフトの小さいものと交換してくれ」と頼むと、他の店舗から取り寄せるから時間がかかるとのこと。
ただし、それまでクラブは使っていてよいと。本当に面白い仕組み。このクラブはもう一回新品として売られるのかしら?

7日から10日かかると言われ、次のゴルフには間に合わないかと思っていたが、幸い週の中頃には到着の連絡があり、先週土曜日にGETした。
オープン癖を直す前提で9.5を選択。
リアルロフト(カタログ上の数字ではなく実際に計った値)では8.5は極めて8.5に近く、逆に10.5は12度近くあったという情報もあったので。

その日もそのまま練習場に行き、試し打ち。確実に弾道は低くなり、ほぼ理想的な高さに収まる。
ついでに本で読んだコツがヒットして、アイアンもいい感じに安定。これはいいかも。


そして迎えた日曜日。
前日の大雨でクローズの可能性もあった中、
更に ティーアップしたボールがこぼれ落ちる 程に吹き荒ぶ強風の中、今月4回目のラウンドスタート。

練習場がなく素振りのみで打ったドライバーの第1打は…風に負けない強い弾道でフェアウエイど真ん中をキープ。
打ち上げの第2打は強風に煽られてグリーン手前に落ちたものの、そこから寄せワンで幸先よくパースタート。

その後もショット、パット共に安定し、 7ホール終了時で3オーバー
ハーフベスト40の更新も見えたが、残りの2ホールで3オーバーしてしまい、結局41。(このコースは前半パー35、後半37の変則設定)
なかなか30台は出せないねえ…

後半は昨日のテニスの疲れと、風に対して縦に続くコースレイアウトに苦しみ46。
トータル87で自己ベスト更新はならなかったが、自己タイ記録、更にはロンドンに来て初めて80台を出すことができたのでOKでしょう。
(しかし何回目の87だ?そろそろ2ケタいくかも…。いい加減更新したい!)


ドライバーはもちろん、ロンドン赴任後早々のスイング改造の結果苦しんだ長い間のスランプに明るい兆しを見せた土曜日の閃きとその結果の日曜日のラウンドは、
いよいよ本格的にベストスコア更新を狙っていける土壌が整ったように思わせるに十分なものだった。

ここから冬に入るので、ラウンドは少なくなる分練習場に通ってスイングを固め、春先に一気に爆発と行きたいところ。


クラブ面では実用性のあるスプーンを入れたいなあ…。今のスプーンはディープフェース過ぎて地面から打てん。
かと言ってドライバーの次がクリークだと230ヤード程度打ちたい時に困るし。
RBZの3HL(16.5)にするか、ドライバーとのつながりでG20にするか…。でも今のクリークは得意クラブだから抜きたくないな。

今のスプーンを下取りに出しつつにすれば100ポンド程度の出費で済むから冬のセール時期になったらまた検討しよう。


<今日の英語>−議題開始−

Let's look at point number one.
John, would you like to begin?
John, would you like to kick things off?

色々表現あるけどこの前習ったものを。



さて。ようやく遅れを取り戻すことができた。
実際仕事が忙しくて、話題になるのは劇とポピー、テニスとゴルフ位だったと思う。
仕事ネタなら沢山あるんだけど…。正直には書けないし。それはまた別の話(王様のレストラン風)ということで。


ではでは。


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