【旅行】 アイルランド&北アイルランド その3(最終日)

アイルランド島旅行も最終日。今日は北アイルランド観光。

今日から欧州はサマータイムに突入!延びてきた日がこれでさらに1時間延びることになる。時計を進めることも忘れずに。

去年経験してみた結果、日本も採用すればいいと強く思う。
夏の暑い時間を多少でも避けて通勤できるし、日が長ければ仕事後にできることも増えて経済は活性化する。
まあシステム対応が大変なんだろうけど。


サマータイム初日はゆっくり目に起きてホテルの朝食。
今回は少し豪華で、シリアルやフルーツ、ヨーグルトの他、メインディッシュを別に注文可能。トラディッショナル・ブレックファストを選択。


多過ぎず、味も濃すぎず、朝食にはちょうどいい。


チェックアウトをしてとりあえず外へ。
ノープランだったので、昨日夕飯を食べながら色々調べてみたが、ベルファストで見るべきところはほとんどない 模様。

敢えて言うならクイーンズ大学と、タイタニック号の記念館位?
(有名なタイタニック号は実はベルファストの造船所で造られた)

あとは郊外になるが、世界遺産ジャイアンツ・コーズウエー

しかし、受付のお姉さんに聞いたところ、今日は日曜日なのでベルファストから出てるバスが運行されていないらしい。
行くなら電車とバスを乗りついで行くしかないと…しかも3時間半位かかるらしい。
乗り遅れたら大変なことになるし、結構複雑な乗り換えが必要みたいなので、その案は却下。
後で観光案内所に行って他の手段がないか聞いてみることにした。


大学の方はホテルのすぐ近くだったので歩いて行ってみた。


こちらは、ダブリンで行ったプロテスタント系のトリニティ・カレッジに対してカトリック系のアイルランド大学の一部だったらしい。


この プロテスタント」と「カトリック が、アイルランドを分割した大きな原因であることは今更言う程のことではないかも知れないが、
北アイルランド問題は日本であまり報道されないのが不思議なくらい、世界でも屈指の政治問題である。

カトリック系が多数を占めるアイルランド島において、アイルランド独立運動が高まった際、
イングランドスコットランドから移住していたプロテスタント系の住人達が、カトリック系国家の一員になることを拒み、連合王国内に留まったのが現在の北アイルランドになる。
多数派でない宗派に属するということは、イコール国家における発言権、ステータスの低下を意味していた。

宗教と政治と軍隊と…1960年代に入り、北アイルランド各地で独立派(ナショナリスト)と独立反対派(ユニオニスト)の紛争が多数発生する。
混乱の中、イギリス政府による直接統治の時代を経て、1998年のベルファスト合意にて北アイルランドの独立議会が制定された。
しかしその後その機能は停止され…


とちょっとここでは書ききれない程複雑な歴史なので、これ以上踏み込むことはやめておく。

とりあえず日本人が思っている以上に大きく根深い問題なのだ。
紛争は一時沈静化していたが、景気の低迷もあり、最近北アイルランド各地で暴動が増えてきているとのこと。
もし訪れることがあれば、十分気を付けて下さい。ただ、滞在中に危険を感じることはなかったです。


ちなみに、通貨はポンドだが、北アイルランド独自の紙幣も発行している。この辺はスコットランドと同じ。
10ポンド札だけGETしたが、紙幣に印刷されていたのはかの ダンロップさん

そう、タイヤメーカー、スポーツメーカーのあのダンロップ創始者だ。

1888年スコットランド人獣医師のダンロップは息子から自転車をもっと楽に早く走れるようにと頼まれ、
ゴムのチューブとゴムを塗ったキャンバスで空気入りのタイヤを作り、木の円盤の周りに鋲で固定した。
これが 世界初となる空気入りタイヤの発明 であり、同年に特許を取得し翌年の1889年にダンロップ社を設立したのだ。

偉大な発明家を生んだ国、それが北アイルランド
(ただし、ダンロップさんはスコットランド人で北アイルランドに移住したらしい)


大学前の街並み。古い教会と新しいビルのコントラストがベルファストの街の象徴かな。


大学をみてこの近辺は満足したので、観光案内所に行くため、中心部に向かって歩き出す。
途中、昨日夕飯を食べたホテル&レストラン&バーを通り過ぎる。


観光案内所に着いたが、まだ開いてなくて5分程待つ。日曜日は11時かららしい。
空は快晴ながら風の冷たい中、5分待つ。

開いてから2階の案内所に行き、ジャイアンツコーズウェーへはどうやって行ったらいいかを確認。
しかし、得られた答えはホテルのフロントと同じ内容のみ。やはり電車&バスか…

と、そう言えば国際免許証持ってきたからレンタカーという手もあるなと、レンタカー屋が近くにあるか確認。

「ええ、あるわよ」

とA4にビッシリと印刷されたレンタカー屋のリストをくれる。

「一番近いのは…ここね。目の前にももう1件あるわ」

と1件の店を指さす。


ほうほう、歩いて10分位か… ん?




「ここ日曜休みって書いてあるけど…」


「…え?あら、本当。ごめんなさい。じゃあここなら開いてるわ」


危ない…気が付いてよかった。

しかし、次なる問題は、開いている店は空港に支店を持っていない。
ということは、帰りに空港で返却することができないのでは…

結局色々考えて出した結論は、 一度空港まで行ってしまう という大胆な案。
空港のレンタカー屋は日曜でもやっているので、そこに行って借りて、返却も当然空港で、そのまま飛行機というプラン。


空港まではシャトルバスで30分位。
バスターミナルに行くとちょうど空港行きのバスが出そうだったので慌てて乗車。切符は車内で運転手から買った。

すぐに発車。ベルファストの街をあっという間に後にする。


途中いくつかのバス停に止まりながらほぼ予定通りに到着。到着ゲートのレンタカー屋に向かう。
昼間の12時過ぎに止まるような飛行機は殆どないらしく、店員さん達はとなりの店の店員と話したりして寛いでる。楽そうな仕事だなあ…
3社あるけど、そんなに必要なのかしら?

そのうちの1社のカウンターで今日1日借りたいことを告げると…

「ごめんなさい、今貸せる車がなくて…」


え?レンタカー屋なのに車がないの?何それ?

すると店員さんは隣の店の店員に聞く。

「そっちはある?」
「大きいのでよければ」

いや、大きいのはいらないです…。2人なので、滅茶苦茶小さいやつでお願いします…


次にもう1店の方の担当に確認。すると…

「あるよ!」

の回答。
そそくさと移動し説明を受ける。

選択肢は 日産のMICRA(マイクラ。マーチの欧州版)とルノーのCLIO

ルノーは運転したことないのでちょっと惹かれたが、今回は初のレンタカーなので日本製の信頼度を買うことに。
操作系も日本車の方がわかりやすそうだし。

ということで、海外初のレンタカーはコレに決定。


1泊以上借りると、カードの免許証だけでなく紙の免許証も必要になるようだが、今回はカードだけでOK。
料金は保険等諸経費コミコミで89ポンド。高っ!!まあ予約もしてないし仕方ないか。

一緒にナビも借りたが(10ポンド)、デフォルト設定言語が アイルランド語 になっていてわけわからん…


アイコンを頼りに設定画面に進み(アイコンって大切だね)、言語選択のページに来たものの… Englishがない!!

いや、厳密にはあるっぽいのだが、"English"自体がアイルランド語で書かれてるからどれがEnglishなのかわからん…


…とそこへ! 「Japanese」 の文字発見!

よかった〜。アイルランド語に"Japanese"に当たる言葉はなかったらしい。
もちろんJapaneseを選択し、いざ出発!

ナビによると1時間ちょっとで着く模様。


しかし…途中背もたれを倒したいな〜と思って椅子の横をゴソゴソやるものの、それらしいレバーやボタンはなく…
物凄くいい姿勢で運転することを強いられ、非常に運転しづらい。しかも久しぶりのオートマ車の運転のしづらさと言ったら…

アクセル踏んでないのに動くな!アクセル外したら減速しろ!

日頃頻繁なギアチェンジによるエンジンブレーキや、ギアをニュートラルに入れての停車に慣れているので最初は本当に戸惑った。


結局車を脇に止め、椅子の脇についてるダイヤルを回すと背もたれの角度が変わることを発見。

ようやくベストなポジションを取ることができ、日本語の快適な案内に従いつつ、高速道路を飛ばして到着。
海沿いで周りに何もないので、兎に角風が強い!!
緯度も高くて気温も低いので体感温度はマイナスだねこれは。

チケットを買ってオーディオガイドをもらい海沿いを歩く。
普通に行くと歩いて1時間位のコースになる。

こんな感じの海沿いをガイドの声を聴きながら歩くのだが、ガイドが元々英語かアイルランド語で話していたであろう説明の日本語訳なので、なんだかぎこちない。


ジャイアントコーズウェーは火山活動で生まれた4万もの石柱群が連なる地域で、1986年にユネスコ世界遺産に登録された。
「イギリスの最も偉大な自然の驚異」ランキング第4位に選ばれている。

ジャイアンツ・コーズウェー(巨人の石道)の名は、アイルランドの伝説の巨人フィン・マックールに因む。
伝説では、彼がスコットランドの巨人ベナンドナーと戦いに行くためにコーズウェーを作ったとされている。


アイルランド島の北端は、雄大な景色が果てなく続く。


一番有名なのが六角形の岩が並んだこの辺り。


海岸に近い高さのところから崖の上の方に登って戻る。(逆ルートも可)
崖の上から見下ろすと、水平線の彼方までよく見える。


ぐるり回って観光センター内のカフェで昼食。
北アイルランド近海で取れた魚介類のチャウダーとソーセージパン。


ソーセージパンは、ホットドックのような感じではなく、ソーセージの具がパンの中に入ったような感じの面白い食べ物。
でも美味しかった。


まだ時間があるので、すぐ近くのダンルース城へ。14世紀の建造物で、なかなかの断崖絶壁に立っている。


中国人の若い集団がツアーで来ていて中国語で話しかけられた。日本人は会わなかったなあ…


続いてキャリック・ア・リード吊り橋へ。
車を降りてまた30分程歩く必要あり。何故もっと近くに駐車場を作らないのかな。やっぱり歩いて見る景色も売りにしてるからかね。

吊り橋と言っても渡った先に何かあるわけではなく、吊り橋自体が見所。何故こんなところに吊り橋を作ったのかは不明。

結構な高さにかかる吊り橋。
双方の間の4メートルを、長さ20メートルのロープで結んだもので海面からの高さは約25mらしい。


風もふいていてなかなかに揺れたが、一応記念写真をパシャ☆


再び30分歩いて戻り、土産物屋兼カフェでコーヒーを飲み、冷えた身体を温める。
一息ついたところで、帰路につく。再び空港までのドライブへGO!

帰りも特に渋滞等なく、順調に到着… が、ガソリンスタンドがない!

レンタカーなので返却時には満タンにして返さればならないのに…。
しかたなくスタンドを求めてもう3キロ程ドライブ。ナビが周辺設備検索機能付きで助かった。TomTomより頭いいなこいつ。


ターミナルからは少し離れた返却上に返し、そのまま空港まで送ってもらう。
ベルファスト国際空港は、国際空港とは言え小さな空港。


チェックイン後、まだ時間があったので空港で夕飯を食べてしまうことに。
PUBに入って地ビールのHarpとジャケットポテトを注文。
ジャケットポテトはじゃがバターにチーズやらベーコンやら詰めたもので、具材は色々選べる。PUBの一般的な食べ物。

10分でできると言われて頼んだのに、30分近く待たされてフライトの時間ギリギリになってしまった。
食べ終わって掲示板を見ると Last Call になっているではないか!


慌ててゲートに向かう。確かにもう誰も並んでいない。

ロンドンまでの便はイージージェットなのだが、飛行機に乗り込むとなんだか様子がおかしい…
席が…スカスカ?

よく見ると チケットに席番号が書いてある!
イージーもすいていると早い者勝ちじゃなくて座席指定になるのか…初めて知った。


ゆったりとした機内でゆっくりと休んで1時間程でロンドンに到着。
当然、UK内なので国内便扱いで入国審査もなし。降りたらすぐに外にでることができる。
9時半の便で10時半に着き、11時にはシャトルバスに乗っていた。

自宅到着は12時頃。日付は変わるだろうと予想してたので、嬉しい誤算。

アイルランド島はUKと似た空気を持ちつつも、それぞれ自国に誇りを持っているところが垣間見え、他の国とはまた違う面白さがあった。
日本からじゃあ絶対来ないところだろうし、貴重な経験になったと思う。


そして明日の休みがホントにありがたい。昨日も今日も歩き回ったから疲れが…。運転疲れも。
イースター最終日はゆっくりしていよう。


ではでは。

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