【出張】 バルセロナ その12

今日も日曜ながら出勤日。
日曜は朝食の始まりが遅いのを忘れていて、ロビーで5分程待ちぼうけ。先週も同じことやったのに…

時間がなかったので、今日は卵料理抜き。フルーツ中心の朝食となった。


業務はちょっとしたトラブルがあって、OSから入れ直したりしたけど、何とか予定作業を終了。

時は19時。そしてバルサ戦は21:30キックオフ。
(このキックオフの遅さがスペインの文化を物語る)


…行ける(-.☆)!!



これは行けるでしょう!間違いない!余裕綽々、お茶の子さいさい!


当日券の発売は試合開始の2時間前からなので、一度ホテルに戻って荷物を置き(スリとか多そうだし)、すぐにカンプ・ノウへ。

10万人弱を収容する欧州最大のスタジアムまでは、ホテルから徒歩約15分の距離。(先日の観光で確認済)
何て素晴らしい立地なんだ。

スタジアムに向かう道中、他にも沢山の観戦客が歩いていた。この辺りは我が街・浦和と変わらない。
みんなタオマフ(タオルマフラー。観戦グッズの定番)を首に巻き、楽しそうに歩いていく。


そして見えてきましたカンプ・ノウ。ライトアップされてオーラがあるね。


20時前には到着し、チケット売り場へ。
荘厳なスタジアム本体とは打って変わって、こちらはやけにみすぼらしい…


何せ10万人も収容できるので、レアルマドリードとの"クラシコ"やチャンピオンズリーグの大一番でもない限り、そうそう売り切れない。

今日も普通に当日券を売っていた。(その割にダフ屋もかなりいたけど)
席によってかなり値段にバラツキがあり、60ユーロ〜140ユーロ位。

せっかく来たのでそれなりの席で見て帰りたいなと思い、バックスタンドの2階席を購入。
(コアなサポーターはゴール裏だけど、観戦するならピッチ全体が見渡せるメインスタンドやバックスタンドがよい)

観光巡回バスに付いてきた割引クーポンが5%分効いて108ユーロ也。
日本に比べたらやっぱりかなり高いけど、正直そういう問題じゃない。
何と言っても世界最高峰のサッカーを間近で観られるのだから。一生のうちにそんなに沢山ある機会ではないのです。
この前買ったカンペールの靴とほぼ同額だけど、全く躊躇いなく 買った。


途中のオフィシャルショップでタオマフを買い、20:30頃スタジアムの中へ。当然記念写真をパシャ☆


この前のスタジアムツアーではメインスタンド側からバックスタンド側を眺めていたので気付かなかったけど、
メインスタンド側には「FC BARCELONA」の文字があったのね。



日本にいた時は、レッズのシーズンチケットを持ってたりもしたので、サッカーの試合は50回位は生観戦してるけど、
当日は大体1時間前までにはスタジアムに入って、両チームの練習を観ながらビール飲んだりして気分を高める流れ。

今回のその流れに沿ってみたけど、写真を見てもらえばわかる通り、スタジアムが予想外にガラガラ。
相手は強豪バレンシアなので、人気がないカードというわけでもないはずなのに。
バレンシアは90年代後半から2000年代前半にかけて、リーグ優勝やUEFAカップ優勝、チャンピオンズリーグも2年連続決勝進出を果たすなど、1時代を築いた)


しかし、その「日本の常識」の流れがバルサでは通用しないことを、この後知ることとなる。



ガラガラだったスタジアムに、試合開始時刻の直前になってワラワラと人が集まり始め、キックオフの時間にはほぼ満席状態。

バルサの場合、シーズンチケット保持者の割合が非常に高く、もはや試合観戦が「生活の一部」となっているため、
「ちょっとお風呂入ってくるわ」という感覚で、「ちょっと試合観てくるわ」なのだ。

原則全席指定席なので、毎試合観に来てると当然周りもいつも同じ人となり、
「やあ久しぶり。元気?」みたいな会話が、あちこちでなされていた。

彼らは試合直前にサッとやってきて、混雑する試合終了後を避け、その少し前の時間にサッと帰って行く。
観戦慣れしているのがよくわかる光景だった。


肝心の試合の方は、開始早々にバレンシアが先制するも、その後は一方的なバルサペース。
一緒に写真を撮った 、メッシの4発を含む大量5得点でバレンシアを圧倒。
カタルーニャ人にとって至福の夜となった。


さて、ここからは「ここが凄いよバルセロナ:サッカー編」


1.応援が"スタジアム全体から"聞こえる
日本の場合、ゴール裏のコアサポーターが引っ張る形になり、メイン・バックは比較的静かだけど、カンプノウではそんなことはない。
ごく少人数のリーダー的グループはいるものの、四方八方、あらゆる席から応援が聞こえてくる。
チャントに拍手にブーイング…。凄い一体感だった。

2.殺伐とした雰囲気ではなくアットホーム
欧州サッカーというと、どうしても鬼気迫る感じの殺気立った雰囲気を想像してしまうが、全くそんなことはなく、極めて平和かつ穏やかな空間だった。
それも全て上述の「地元のシーチケ保持者」の皆様のおかげなんだろう。
(まあ"クラシコ"はそんなこと言ってられないと思うけど)

3.ファーストタッチが滅茶苦茶上手い
技術的な話だが、バルサの全選手、ファーストタッチがクソ上手いっす。トラップだろうと、ダイレクトパスだろうと。
あのレベルになると、「コンマ数秒」の差で勝負がつくから、常に時間的な優位性を保ってプレイしているように感じる。
セカンドタッチで自在にボールを操れるように計算されたファーストタッチなんだなと唸ることしばしば。

4.イニエスタの超絶パス
そんなバルサメンバーの中でも、イニエスタの技術は練習から別格。(シャビは怪我につき控えスタート)
右足・左足、インサイド・アウトサイド、ダイレクト・ツータッチ…状況に関係なく正確無比なパスを繰り出していた。
ボレー気味に叩いて、スピード押さえて相手の足元にピタッと抑えるテクニックはちょっと衝撃的だった。
メッシも凄いと思ったけど、パスに関してはイニエスタが断トツだった。

5.ピケの足元の技術
バルサ、スペイン代表の守備の要、ジェラール・ピケ
"チビッ子軍団"(メッシ、シャビ、イニエスタは170cm前後、ビジャ、セスクでようやく175cm前後、プジョルですら180cm弱)のバルサにあって、
最高の高さを誇る(192cm)にも関わらず、足元の技術が半端じゃない。センターバックとしては世界最高ではないだろうか?
トラップやフィードの正確さはもちろん、試合中に普通にスルスルとゴール前まで攻め上がり、
連続跨ぎフェイントからテクニカルシュートを放ったりする。
日本だと闘莉王はかなりのものだけど、ピケの前だと彼すらも霞む。フォワードでも十分やっていけそうな感じ。

6.メッシの異次元スピード
やっぱり4得点のヒーローを取り上げないわけにはいかないでしょう。
何が凄いって、やっぱり"スピード"。単純に足が速いとかそういうのではなく、「足の動きそのもの」が超人的に速い。
イメージとしては「エイトマン」。足だけ別の生き物のように動いてる。
普通の人が1回ステップする間に3回位ステップしてるように見えた。
リズム感が違うのかな…。見ていて何となく違和感がある動きだった。時間軸が普通と違う。
あれは止められないわ。足の動きが速すぎてリズムが取れない(動きを合わせられない)。

7."超"コンパクトサッカー
ほとんどの時間、ピッチの片側のさらに半分のスペース(全体の4分の1)だけでサッカーをやっていた。
キーパーを除く全員が、そのわずかな幅に入って、チョコマカとプレイ。「ボール1個」のスペースが広いものに感じられる位。
そのスペースがあれば、当然理論上はパスが通るわけだけど、実際にやっているのを見たのは初めて。
日本でも解説者が「陣形をコンパクトに保ててた」とか言ってたけど、それの究極版。サンドイッチみたいなもん。
両方の最終ラインがギュッと押し付けられて、その中でやってる感じ。

8.一瞬たりとも目が離せない緊迫感
7のように試合自体が超コンパクトなので、裏に抜けると一瞬でチャンスになる。(逆もまた然り)
だから試合中も常に緊迫感があって、目が離せない。瞬きしたらすぐゴール前にいるような感じ。

9.攻守の切替え(特に攻⇒守)の速さ
細かいパスをつなぐスタイルだから、やっぱりそれなりにミスパスも出るけど、
見てるこっちが「あ〜」って言う頃には既に相手にプレスに行っている。
攻撃ばかりに目が行くけど、守備の基本も徹底されていて、全員サボらずに守備をしていたのが印象的。

10.試合後には道路が歩行者天国になる
試合後、外に出ると車道を普通に人が歩いてる。(というか溢れていて人で車道が埋まっている)
試合の後は閉鎖されるらしい。最寄の地下鉄駅位まで歩行者天国状態だった。
こんな感じ。一応、大通りのど真ん中で撮影してる。



試合後はしばらくスタジアムに留まり、ある程度人ごみがなくなってからホテルに帰還。
全6ゴールはもちろん、それ以外にもポスト・バーを叩くこと多数の試合内容、スタジアムの雰囲気等々含めて大満足な2時間だった。


試合の詳細は、今日の深夜フジテレビ「すぽると」のマンデーフットボールでやると思うので、是非見てみて下さい。
その全てのシーンを幸運にも生で観ることができ、本当に感激です。



最後に選手入場〜キックオフまでの動画をアップ☆初動画だけど上手くいくかしら?


バックで流れているのは、1974年にクラブ創立75周年を記念して作られた曲で、曲名は "El Cant del Barca"。
これをスタジアム全体で大合唱。

今日はそのメロディに合わせてさようなら。



バルサバルサ!バ〜ルサッ!!




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