【出張】 ラスパルマス その5

日曜日。
街が静かな朝を迎える中、出社日の自分たちはいつも通りの朝食を食べ、車通りの少ない道を通って歩いていく。
今日は比較的雲が多く、日焼けするほどの日差しはない。それでも上着はいらないくらいだが。


昨日のうちに遅くまで頑張って仕事を仕上げておいたので、今日はあまりやることがなく、平穏無事に過ぎていく。


昼食は海岸沿いのアジアンフードレストランで。昼には雲もすっかり消え、快晴となっていた。
酢豚を注文したら パイナップル(スペイン語ではピーニャ) が入っていた。日本だけの文化ではなかった模様。

日曜なので店員さんが少なく、それでいて開いているレストランが少ないのでお客は集まり、てんやわんやの状態。
周りは昼から酒を飲んで盛り上がっているが、こっちは仕事中なので当然飲めず。この日差しの中ビール飲んだらさぞかし美味いだろうなあ…


今日はラスパルマスに来て初めて部屋の掃除を頼んでおいた。
普段は荷物も出しておきたいし、タオルも環境を考えて何回か使うので、基本的に「Don't disturb」にしておく。

ホテルに来ていつも思うのは、何故シーツの裾をあんなにしっかりとマットレスの間に挟むのか ということ。

寝るときはどうせ出すし、出しても最後まで出すのが大変でどうにも窮屈な感じの寝心地になってしまう。


足元が"ピシッ!"としてしまい 寝返りがうてない 気がするのは自分だけ?

いつも朝起きると真っ直ぐ天井を向いているような…


あのシーツの状態を求めている人は果たしているのだろうか?
アンケートを取ったら大半の人が「出しておいて欲しい」と回答すると思うんだけどなあ…

手間暇かけてやる必要はないでしょきっと。


午後も平和に過ぎる。


職場のトイレに体重計があり、恐る恐る乗ってみた。

うーん…1〜2kg太っているような…

服を着たままなので定かではないけど。ジーンズだからきっと結構重めだよね?と自分に言い聞かせる。
上着と合わせて1〜1.5kgはあるはず。…と信じたい。


まあ毎日これだけ食べてれば太るわなあ…
時間ができたらホテルのプールやジムに行って運動しないと。


定時過ぎには退社し、ホテルに戻る。
スパは日曜は18時で終わってしまうので、夕食の時間までの約3時間、部屋でシエスタ(昼寝)。
初日に買った24セントのビールを飲み、気持ちよく睡眠。(味は普通だったが、プルタブが錆びていた)


夕食も海辺のBAR風レストランへ。

そしてレストランの前で思わぬものに遭遇。


これが何だかわかる人は、相当な "車通" か "うらまさ通" のどちらか ですね。 

そう。自分の前愛車、ダイハツコペンです。


日本車をほとんど見ないここスペインにおいて、まさかコペンに出会うとは…感激だ。
(スペインの車事情については こちら を参照)


ちなみにコペンは日本では軽自動車なので、規格に合わせて660ccのエンジンを積んでいるが、海外では1.3リットルのエンジンを積んでいる。
そっちの方が効率も燃費もいいからだ。

じゃあ日本でも積めばいいじゃん!

というのは至極真っ当な意見なのだが、そう簡単にいかないのが日本の自動車界事情。
色々と利権やら何やらが絡んでいて、正しいものが正しく進まないという日本の政治経済の典型的パターン。

まあそこに踏み込むと長くなるので本稿ではこれ以上触れないことにする。


コペンの発売は2002年。(購入したのは社会人1年目の2004年。2ndアニバーサリーエディション。)
電動アクティブトップを持つオープン2シーター(二人乗りオープンカー)で、発売当時この仕組みを持つ車は世界でコペンとベンツ・オープンの2台だけ。
軽のサイズにベンツと同じ仕組みを搭載したということで、世界を驚かせた車である。

仕上げの部分に、ダイハツのエキスパート技術者による 手作業 が入るため、量産体制は取れず、またコストも非常に高くなり、売れば売るほど赤字になる車 と言われていた。
(発売当初の話なので、今は多少事情が変わっているのかもしれないが…。購入時は軽のくせに200万位した。)



それでもダイハツは日本のモノづくり会社の意地とプライドをかけてこの車の生産を続けている。
小さくても 日本が世界に誇るべき名車 なのである。


そんな貴重な車を、日本人がほとんどいないこの小さな島で見かけるというのは、本当に喜ばしいこと。



そんな「日本人であることの誇り」を胸に、ラスパルマスでの残りの業務も頑張らねば。



では


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