【旅行】イタリア(ローマ) その1

土曜日。今日からイタリアはローマに3日間の小旅行。
先週のスイスは格安航空ではなくスイス航空だったが、今回はライアンエアー

格安航空独特の早朝フライト(6:10発)に間に合わせるため、3時15分に家を出て、3時25分のバスに乗る。
空港行きバス(NationalExpress)、スタンステッド空港、ライアンエアー…全てが初めての嫁さんに色々と勝手を伝えながらフライトを待つ。

バンクホリデーがあるわけではないのに、空港は結構混んでいた。夏休みシーズンの週末だからかな。
それでもほぼ定刻通りに飛行機は出発。ローマ・チャンピ―ノ空港までは2時間半程のフライト。

格安航空独特の 席順並び をしているときに、スタッフがチャンピーノ空港からのシャトルバスチケットを売りに来た。
ちょうど昨日買おうと思ってネットでリクエストしたら、12時間前までしか買えませんとエラーになってしまい、空港で買うつもりでいたので好都合。
往復チケット(1人8ユーロ)を購入しておいた。

チャンピーノ空港は都心からの距離的にはレオナルド・ダ・ヴィンチ空港と同じ位に位置しているのだが、
鉄道駅がないので市内まではバスかタクシーになってしまうのだ。


機内ではもちろん機内食や飲み物は有料である。その他ライアン独特のスクラッチくじの販売なども。
特に高いわけではないので何か飲んでもいいのだが、2時間半程度なのでひたすら寝て過ごす。

そして気づけばローマ上空。定刻内にランディング。
…とくればもちろん大音量の ファンファーレ!

パ・ラ・ラパッパララパ・パ・パ・パラララ〜♪ と競馬のスタート前になるメロディを奏で、
安くて正確!ライアンエアー と締めくくる。牛丼みたいなキャッチコピーだ。

ともあれ無事にローマに到着。

イタリア人の気質なのか、 非常に適当な入国審査を済ませ 外にでる。
天気は晴れ。気温は25度程度だろうか。汗ばむほどではないが、ロンドンよりは確実に暑い。湿度も高めに感じた。


すぐにシャトルバス乗り場に向かうが、運悪く自分たちの少し前でバスが一杯になってしまった。やむなく次のバスを待つ。
隣のバスはすぐに乗れそうだったので、やはりこっちに着いてから状況をみて買うべきだったかな〜と少し後悔。

しかし、この後 そんなレベルではない後悔の念に襲われる とはこの時には思いもよらなかった…

10分程で次のバスが到着。そそくさと乗り込み、出発。運転手はロン毛の兄ちゃん。
空港の外は思っていたよりも荒れた雰囲気で、アメリカに来たのかと思わせるような景色が続く。

暫くして信号で停車。そしてここでアクシデントが!

青になったが… 車が発進しない!!


首をかしげながら何度もエンジンをかけ直す兄ちゃん。しかしどうにも上手くいかない。
信号2往復分位立ち往生した結果、なんとかエンジンの機嫌は直り、再出発することができた。

ふぅ…心配させるなよ兄ちゃん…と思ったのも束の間!


今度は信号でもなく 道の真ん中で突然のエンスト!

後ろからパーパーラクション慣らされながら、何度もエンジンをかけ直す。
不気味な警告音が車内に響き渡り、乗客の不安心を増幅させる。

なんとかエンジンは復活し、何事もなかったかのように走り出す兄ちゃん。

何が凄いって、この間乗客に全く何のアナウンスもなし なところ。

イタリア人の乗客も沢山いそうなのに、イタリア語での説明すらなし。さらに言うと、電話で本部に連絡したりする素振りもなし。
なんなんだこれは…

結局途中何度かこれを繰り返し、「かろうじて」目的地のテルミニ駅まで到着。15分位遅れたかな。
着いて早々焦らせるなよ…。バスを乗り換えないとダメかと思ったわ。ローマの第一印象を頗る悪くしたね。


気を取り直して観光開始。まずは荷物をロッカーに預けようかとコインロッカーを探す。
…が見当たらない。というか、あったはずのところから無くなってしまっていて、有人の手荷物預かり所になっている模様。

何故なくなったのか理由は定かではないが、あり得るのは「盗難が多いため」ということ。
ローマはスリやひったくりが多く、お世辞にも治安のいい街とは言えないみたいなので。

今回は気温が高いということもあり、荷物を少なめにしてきたため、預けるのはやめてそのまま観光へ行くことにした。

まずはローマパスをゲットしなければ。3日間有効のパスで、期間中電車やバス、トラムが乗り放題になる。
さらに最初の2つまでは美術館などの入場料が無料になり、その後も割引が効くというスグレモノ。
欧州の大都市どこに行ってもいまはこういった「パス」があるので、個人で旅行に行くときは重宝する。

しかし…今度はパスの売り場が見つからない。
大体は駅の窓口などで買えるのだが、テルミニ駅は広すぎ&混みすぎでよくわからない。

試しにチケット自販機で探していると、変な男が近づいてきてなにやら怪しい素振りを見せる のでそそくさと退散。
あれは何か狙ってたなきっと…。ローマ怖い。


結局テルミニ駅の地上駅を出て、地下鉄の入り口に向かう途中にあった観光案内所近辺のチケット売り場で購入した。
買える場所にはローマパスのロゴが出ているので、注意深く見れば見つけることができると思う。
さらに、ローマパスが使える美術館などでも買うことができるらしい。最悪はそれでもOK。


何とかスタートラインに立つことができたので、とりあえず地下鉄でバチカン美術館へ向かう。11時半のスタートになった。

ローマの地下鉄にはA線・B線の2線があり、テルミニ駅で交わっている。バチカン美術館はA線沿い。
A線のホームや電車は比較的綺麗で、何となく薄汚い街中とは一線を画す。


駅から歩いて10分程で見えてくる世界で一番小さな独立国・バチカン市国の城壁。


壁沿いに歩くと見えてくるバチカン美術館。残念ながらここはローマパス無効。イタリアではなくバチカンだから なのか?

バックパックをクロークに預け、入館。

バチカン美術館と言えば何と言ってもミケランジェロの大作「最後の審判」であるが、システィーナ礼拝堂は写真撮影禁止のため、残念ながら写真はなし。

しかし、その他にも多数の有名作品が並んでいる。世界最大級の収蔵数を誇る美術館なのだ。

館内もかなりの広さで、普通に見て歩くだけで2時間は軽くかかってしまう。
途中でレストランやカフェがいくつかあり、かなりの数の観光客がそこで休憩を取っているのも頷ける。

特に値段が高いわけでもないので、自分達も途中のカフェで一回休憩、最後にピッツェリア(ピザ専門店)でランチにした。

イタリアではレストランでは一般的にはピザを出さない。ピザを食べたい時は、ピッツェリアに行けばよい。
…とガイドブックには書いてあるが、観光地のレストランは両方を兼ねている店も多くあり、それほど意識しなくても大丈夫だと思う。


3時間弱位滞在し、次の目的地サンピエトロ大聖堂へ。

途中の道端では土産品や明らかに偽物と思われるブランド品を売る露店など、あ〜観光地に来たな〜という気分にさせてくれる。
スイスにはこの類の店が全くなかったことを考えても、やはり治安と生活水準の高い国ということがよくわかる。

そうこうしているうちにサンピエトロ広場に到着。バチカン市国に入ったわけだが、特に検問等があるわけではない。


そして遂に世界最大のキリスト教教会であり、カトリックの総本山であるサンピエトロ大聖堂へ。

セキュリティチェックを受け、中に入るとその大きさに圧倒される。
見た目はそれほど大きくないように見えるのだが、奥行きが深く、
ローマ法王のミサの時には 6万人を収容 するということにも納得がいく。
6万人と言ったら埼玉スタジアムが満員になる人数だ。

彫刻類も素晴らしく、中でもミケランジェロピエタ象の精巧さには驚かされる。
この作品を作ったのは ミケランジェロが23歳の時 というから更にビックリだ。


中の大きさと雰囲気に圧倒された後は、大聖堂の頂上、クーポラへ登る。
地上から頂上まで500段以上の階段があり、2ユーロプラスで途中までエレベータで行くことができる。
ここは無理することなくエレベータを選択。

中間点から階段で登るが…き、きつい…。段差がかなり大きく、また幅も狭いためとても登りづらい。
加えて頂上近辺ではドーム状の天井のせいで内部が球形になっており、身体を倒して登る必要がある。
最後の数十段に至っては、天井から垂れた綱につかまっての登頂になる。これは…しんどい。つくずくエレベーターにしておいてよかった。


そして辿り着いた頂上からの眺め。


バチカン市国が一望できる景色は壮観の一言。頑張った甲斐があった。

暫く景色を楽しんだ後、再び階段を使って降りていく。登り程ではないものの、下りもかなりの肉体的負担。
地上まで降りた時には二人ともふらふらになってしまった。

次の目的地、サンタンジェロ城へ向かう途中で飲み物を購入しようと、移動型の売店に立ち寄るが、水分が異常に高く 断念。
500mlのペットボトルで4ユーロは高い。
何も買わずに立ち去ろうとしたら、嫁さんが水鉄砲のようなもので水をかけられたことで更にローマの印象を悪くした。


しばらく歩くとキオスク的な店があったので、覗いてみると500mlの水で1ユーロ。数十メートルの差でバカを見るところだった。
皆様くれぐれもお気を付けを。
多分観光バスでくる客の行動範囲に合わせて高くしてあるんだと思われる。少し頑張って足を伸ばせは、安く購入できますよ。


喉を潤した後は、サンタンジェロ城。サンタンジェロ橋からの姿はカッコイイ。
139年に霊廟として建てられたのが始まりで、ルネサンス期に大改造が行われ、今のような形になった。


現在は博物館になっており、兵器のコレクションや彫刻、絵画などが展示されている。


続いては3つの噴水が並ぶナヴォーナ広場。
ベルニーニ作の彫刻大作「四大河の噴水」「ムーア人の噴水」「ネプチューンの噴水」がある。

四大河の噴水。真ん中にそびえるオベリスクがシンボル。


ムーア人の噴水。


ネプチューンの噴水。


そこから 紀元前25年に創建された神殿を120年に再建した という古代ローマの遺構パンテオンへ。


2世紀当時の姿をほぼ完全にとどめる数少ない建築物とのこと。2世紀って…凄すぎないか?本当なのかしら…
残念ながら今日は内部でイベントが行われていて、中に入ることはできなかった。


そして来ました、トレヴィの泉。ローマと言ったらここでしょう。
後ろ向きになってコインを投げるとローマに戻ってくることができるという伝説を持つ泉。
思っていた以上に大きくて迫力がある泉と彫刻でびっくりした。


ちなみにローマは1回でいいかなと思い、コインは投げてない(笑)


次はスペイン広場。ここも「ローマの休日」で有名…らしい(見たことがないのでよく知らない)。
ここへの移動途中で休憩がてら街角の小店でイタリアンジェラートを食べてみた。
さっぱりとレモンシャーベットにしたが、滅茶苦茶美味い!流石ジェラートの本場イタリアだね。


そしてスペイン広場に到着。広場の前にはスペイン階段。


階段の手前にある「パルカッチャの噴水」の水は、水質がいいことで知られるローマの湧水の中でもトレビィの泉と並んで美味しいと有名らしい。

…と言うわけでチャレンジ。


ん〜確かに美味しい…気がする。少なくとも水道水とは違い、色々とミネラル系なのか何かが入っているような風味。


そこからポポロ広場へは一本道。
ポポロ広場は、鉄道ができる前まではフラミニア街道を経てやってきた旅人で賑わっていたというローマの北の玄関口。

ゲーテスタンダールもこのポポロ門をくぐってやってきたのだ。


広場の真ん中にあるオベリスクは、初代皇帝アウグストゥスがエジプトから持ち帰ったもの。確かに柱にはヒエログリフが掘られていた。


この時点で19時前後。今日の目的地を全て回り終え、歩き疲れたので夕飯にする。
ポポロ広場近くのレストランがガイドブックに載っていたので、行ってみることに。手作りパスタが美味しいという。

ガイドブックに載っていなければ絶対気づかないような場所にあるこの店は、雰囲気のある本格イタリアンレストラン。

パスタはあくまで第一の皿としてのメニューであって、前菜、第二の皿、デザートまでしっかりと揃っている。
正式に食べるのであれば、これらを全て注文する必要があるが、流石に食べきれないので、前菜とパスタだけにした。


前菜はイタリア名物生ハムメロン。生ハムの定番メニュー。ビールにもよく合う。


パスタはローマ地方の味、スパゲティ・アマトリチャーナ
トマト、豚のほほ肉、羊乳のチーズで仕上げたソースを絡める。


自家製パスタはやや平麺で、ソースとよく絡み、硬さも絶妙で美味しかった。
20時頃に出た時にはテラス席が満席になっていたので、地元民にもかなり人気のある店のようだ。
第二の皿やデザートも食べてみたかったなあ…。


遅くなったのでホテルへ。地下鉄A線でテルミニ駅に戻り、B線に乗り換えて2駅。
都心からわずか2駅にも関わらず、外に出てみると真っ暗…。店も全くない。

わずかな街灯を頼りにホテルを探す。駅近なのは間違いない。
幸いすぐに見つかったが、ホテル近辺も何もない。小さなレストランが一つだけ。

喉が渇いているんだが…ホテルの人に聞いてみてもこの時間に開いている店はないということなので、
仕方なくレストランへ行ってソフトドリンクのみを注文。2人で9ユーロの高い飲み物になってしまった。
缶で出てきたので、半分位をその場で飲んで、残りをホテルへ持ち帰り、夜の飲み物にする。

ホテル周辺の過疎り具合は誤算だった。まあ安いからいいけどね。(2泊2人朝食付きで10000円弱。1人1泊2500円!)
一応3つ星のハズなんだけど、評価には周辺の状況は不要か。せめて自販機かなんか置いておいてくれればいいのに。
部屋はまずまず綺麗なので寝る分には問題ないが…。


さて…。今日は朝3時前から活動している上に歩き回ったので大分疲れたわ。
ゆっくり寝て明日に備えねば。明日はコロッセオやカラカラ浴場などに行く予定。


ではでは。


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